【新唐人2013年3月10日付ニュース】3月4日、中国吉林省の長春市で痛ましい事件が発生しました。生後2か月の赤ん坊を乗せた車が盗難に遭い、泣き崩れる家族の姿に胸を打たれ、多くの市民が自発的に盗難車の捜索にあたりました。事件から30時間後、犯人が出頭し、自白。しかし、赤ん坊は犯人によって絞め殺され、雪の中に埋められました。
盗難に遭ったトヨタのジープ。当時、車内には生後2か月の赤ん坊が乗っていました。事件が伝わると、長春の市民らが自発的に捜索に協力しました。
被害嬰児のおば
「子供の父親はストーブをつけてから、温度が上がったら、子供を中に入れようと」
記者
「赤ちゃんだけ車に残っていたのですか」
被害嬰児のおば
「ええ」
記者
「時間はどれ位ですか」
被害嬰児のおば
「長くて10分、8~9分程度です」
スーパーマーケットを経営する許さんが、エンジンを切らずに店に入ったわずかな時間に、悲劇は発生しました。メディアに車の特徴などを公開し、人々に助けを求めました。
被害嬰児の父親 許さん
「子供は後部座席に乗っていました。生後2ヶ月です。サイドブレーキに赤い布を結んでいます」
赤ん坊のおばはひざまずいて、責任は追及しないから、子供だけは返してくれるよう犯人に懇願しました。
ラジオ局
「犯人にもう二言言ってください」
被害嬰児のおば
「お願いだから、子供を返してください。お願いします・・・」
当日、この情報がラジオやテレビを通じて長春市内に伝わると、多くの自家用車、タクシーなどが自発的に盗難車の捜索に出ました。
タクシー運転手 張さん
「早く見つかるといいですね。うちにも子供がいるので」
この日、長春の人々は奇跡が起こることを願っていました。しかし盗難車は翌日の3月5日になって、長春から60km離れた公主嶺市で見つかりました。
記者
「この車ですか」
被害嬰児の父親 許さん
「ええ」
記者
「この車ですね」
犯人は車を盗んでから2時間後、公主嶺市の民家の前に車を乗り捨て、逃亡。しかし、そのとき赤ん坊の姿はすでになかったといいます。
民家の主人 王さん
「車を置いていった人は近隣村の人だと言ったそうです。管理人は道路に雪が積もっていたので、走行が困難だから、車を置いていくのだろうと思ったそうです」
記者
「子供は抱いていなかったのですか」
民家の主人 王さん
「ええ。身長180cmほどの男が、バッグを背負っていたと言っていました」
記者
「年齢は?」
民家の主人 王さん
「30〜40歳代のようです」
赤ん坊の消息は依然として途絶えたまま。それからさらに10時間あまりすぎた5日午後5時過ぎ、周喜軍(しゅうきぐん)という男が突然出頭し、犯行を自白。
犯人は、車を盗んで走行中、後部座席の赤ん坊に気づき、首を絞めて殺し、雪の中に埋めたと供述したそうです。
この知らせを受けた赤ん坊の母親は、ショックで精神が崩壊し、病院に搬送されました。
人間性を失った残虐な犯人によって、わずか2ヶ月でこの世を去った幼い命に、市民たちはろうそくをともし、悼みました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/03/06/atext857844.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)